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エンディング

光はスタジアムまでも覆い尽くした。
やがて光はビルを破壊しながら、旧市街を侵食し始めていった。
光は巨大な光の玉となった。
旧市街のほとんどが光に飲まれた。

 

 

 

 高速道路の料金所に甲斐とケイはいた。
彼らは旧市街でさらに拡大していく巨大な光を眺めていた。

 

甲斐「ヤバイぜー、逃げた方がいいぜ、おい」
ケイ「金田君・・・金田くーん!」

 

 

 

 光は唸りをあげて、旧市街を侵食していった。
ビルは全て飲み込まれ、瓦礫、看板、アーミーの装甲車などが吸い込まれ、
吹き上げられていた。
旧市街が光に覆い尽くされた。

 

 

 

 オレは光の中を漂っていた。
・・・オレの目の前にいろんな過去の出来事が浮かんできた。

 

金田「だからお前のは突っ込みが足りねェンだよ」
山形「コーナーは死ぬ気で行くんだよ。
   いいか、見てろ・・・」
甲斐「なんだよ、それ」
山形「コーナリングだよ」
金田「ははは・・・なァ、鉄雄・・・」

 

 

 

「見ろよ、また来たぜ」
「転入生か」
「捨てられたんだよ」
「不幸が顔に出てるぜ」

 

金田「これは・・・お前の夢なのか?
   鉄雄ーっ!」

 

 

 

鉄雄「ヒック、ヒック・・・」
金田「新しく入ってきた奴にはいつもああなんだ。
   今日来たんだろォ。オレもやられたけど・・・
   でも本当は弱いんだぜ、あいつ・・・」
鉄雄「僕は・・・鉄雄・・・島 鉄雄・・・」
金田「へへっ実はさ、オレも来たばっかなんだ。
   名前は・・・」

 

 

 

 ・・・突然ガキ共の姿が浮かんできた。
ガキ共は研究室みたいな部屋で遊んでいた。
ガキ共の向こうに見慣れないガキがいた。
そいつは笑っていた。

 

金田「これが、アキラァ・・・?」
キヨコ「そう・・・私たちが呼んだの・・・
    鉄雄君を連れててってもらうために」
金田「連れてくゥーッ、・・・何処へ?」

 

 

 

タカシ「鉄雄君には無理だったのさ・・・
    もちろん僕らにも・・・アキラ君にも・・・」
マサル「今の僕たちには大きすぎたんだ」
キヨコ「でもいつかは私たちにも・・・」
マサル「もう始まっているからね・・・」
キヨコ「あなたの友達の・・・」
金田「オレの・・・ケイッ!ケイのことだな!」

 

 

 

ケイ「金田くーん!」

 

 ケイの声が聞こえてきた。

 

金田「ケイ・・・」

 

オレの目の前の空間が歪み始めていた。

 

金田「うわーっ、ケェェーイ!」
マサル「キヨコー、タカシー!」
タカシ「キヨコー、マサルー!」
キヨコ「タカシくーん、マサルくーん!」

 

 

 

 巨大な光の玉は、ネオ東京の上に出現した。
やがて光の頂上が暗黒になった。
それはブラックホールに似ていた。
光の玉は暗黒部分に完全に塗り替えられた。
その中心に向かって雲が流れていた。
暗黒の球がネオ東京のビル群を多い、崩していった。
ネオ東京の中心に巨大なクレーターが浮かび上がった。
暗黒の球はネオ東京を覆い尽くし、海にまで広がった。

 

 

 

 ネオ東京のビル街に海水が流れ込んできた。
ビルは次々と倒れ、海水に飲み込まれていった。

 

 

 

 ようやく朝になり、流れる雲の間から光が射し込んできた。
海水が引き始めた。

 

 

 

 スタジアムから見たネオトウキョウは静けさに包まれていた・・・
小さくなった光の玉が消え入りそうになりながら降りてきた・・・

 

 

 

 気がついたとき、オレはスタジアムの瓦礫の山の上にいた。
俺の前に小さくなった光の玉があった。
オレは消えてしまいそうな光の玉を、思わず握りしめていた。

 

 

 

金田「鉄雄・・・・・・」
ケイ「金田君・・・」
金田「ありがとう・・・呼んでくれただろォ、聞こえたぜ・・・」

 

 俺はゆっくりと振り返り、ケイを見つめた。

 

ケイ「鉄雄君は・・・」
金田「行っちまった・・・あの3人も・・・アキラも・・・」
ケイ「金田君・・・あなた、さっき・・・」

 

 

 

甲斐「あーっ、金田ァーっ、生きてたかァー!
   うーっ、オレはてっきりお前もあん中でェー・・・
   ん?鉄雄は?鉄雄はどうした、死んだのか?」
金田「どうかなァ・・・きっと・・・あっ!」

 

 

 

 サッと雲が流れ、オレ達に日が射した。
オレ達はずっと光を見つめていた・・・
そしてオレ達はバイクに乗り、ネオ東京を目指して走った。
崩れかけたネオ東京のビル群にも、いっぱいに光が降り注いでいた。

 

 

 

 ・・・真っ白な空間に光が走り、やがて原子が誕生した。
原子は・・・

 

 

 

 成長し、ガス状の物となった。
ついには宇宙が現れ・・・
星雲と・・・

 

 

 

 星々が生まれていった・・・

 

鉄雄「僕は・・・鉄雄・・・」

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